No.74 腸を浄化して病気のもとを排除する生薬

2013-03-12

 漢方では,過剰な飲食物・食事や生活の不摂生・精神的ストレス・更年期や加齢・細菌やウイルスなどで,消化器系の機能に負担や障害が生じると,飲食物中の栄養素が人体の活力と再生のため効率よく利用されず,一部は「湿」や「熱」の邪気に変化して,有害化すると考えます.直接の結果として下痢のような胃腸障害のほか,発疹・滲出液の形で体表に現れる皮膚病や,体内で二次的な影響を発展・進行させる生活習慣病などの原因になります.

 スベリヒユは日本でも古来知られる植物で,畑や道端に白い根を張って赤い茎を伸ばし,肉厚な葉を広げて黄色い花を咲かせ,実から黒い種を落として命をつなぐ強い雑草です.漢方では,「馬歯莧」または「五行草」という生薬として,南北朝時代(5世紀)から記述があります.ゆでると滑りが出て食感がよく,酸味で美味しいと食用にもされます.食品としての特色は,人体への作用にも反映されます.

 「馬歯莧」の作用は様々ありますが,「大腸」に効くことは広く共通の認識があり,病原体の感染による下痢によく使われてきました.酸味で収斂させる効果で,出血をともなう場合にも適応します.滑りをもつ生薬は,薬性として「滑性」をもち,不要物を体外へ滑らかに排出させるために役立って,「湿」の除去を促進します.加えて,「寒涼性」という薬性が「熱」の解消に働きます.このように腸を浄化することで,さらに,皮膚病や生活習慣病を発症させる原因を絶つためにも活用できます.
 
大熊薬局 大熊俊一先生<大熊俊一 オオクマ トシカズ>
1980年 東京薬科大学卒業。薬剤師試験合格。
1981年 同大学第2薬化学教室助手。
1982年 同退職後、研究生。
1987年 同大学に学位論文を提出し、審査・試験に合格し薬学博士を取得。
1991年 有限会社大熊薬局代表となる。
掲載紙名:両毛新聞(3ヵ月に1回)(No.47までは月1回)


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