No.29 脳卒中の引き金になる「内風」を防ぐ薬性

2012-11-28

 漢方では,めまい・頭のふらつき・頭のゆれ・激しい頭痛・手足のふるえ・立っていられない・まっすぐに歩けない・筋肉のひきつり・けいれん・しびれ・まひ・ろれつがまわらない・舌の歪み・舌のふるえなどの症状は「内風」の兆候と捉えます.体内から生じた風が激しく吹き荒れて,組織がむりやり揺り動かされているかのような様相を象徴する名称で,現代医学的には,脳内の過剰興奮・脳血管の痙攣などが起こっている状態に相当します.脳血管障害(脳卒中)の前駆症状の場合も,他の疾患の随伴症状の場合もあります.

 「釣藤鈎」・「天麻」・「白シツ藜」・「菊花」・「桑葉」・「羚羊角」・「牛黄」・「石決明」・「貝歯」・「玳瑁」・「地竜」・「白僵蚕」・「全蝎」・「蜈蚣」・「代赭石」・「磁石」などは,「内風」を止める(熄風)作用があります.薬性としては,体内の「肝」の系統に働くのが共通で,鹹味・苦味・重質の生薬に特有の抑制効果,甘味の生薬の緩和効果,辛味・軽質の生薬の発散・疎通効果などで,鎮静・鎮痙・降圧につながります.「釣藤散」・「抑肝散」・「降圧丸」に活用されています.

 「地黄」・「山薬」・「山茱萸」・「枸杞子」・「黒豆」・「女貞子」・「旱蓮草」・「白芍薬」・「阿膠」・「亀板」・「鼈甲」・「淡菜」・「鶏子黄」などは,「内風」を起こす素因になる「陰虚」を癒やす(滋陰)作用があります.薬性としては,甘・鹹・酸味の補益・滋養・保護効果から,心身を休養させて,神経系を自ら抑制する仕組みの回復につながります.「杞菊地黄丸」に活用されています.


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