No.67 「血熱」を解消するための広範な生薬活用

2012-11-28

 漢方では,全身的な発熱のほか,局所的な熱性または熱感の症状や,皮膚・粘膜に発赤・発斑・発疹が現れたら,体内に「熱」が生じたと考えます.特に,斑・疹部の赤みが強く,出血しやすい性質が見られるときには,「熱」が「血」の中に及んだと考えます.この「血熱」という病態は,発疹性の急性伝染病や感染性疾患の発症期の症候として見られますが,健全な状態にある人の日常的な現象(虫さされ・かぶれによる湿疹・皮膚炎)でも,あるいは,慢性皮膚病(アトピー性皮膚炎・ニキビなど)でも,症候の特徴として「血熱」の性質が顕著に見られる場合がしばしばあります.

 「血熱」の解消に役立つ生薬は「清熱涼血薬」と総称され,広範な植物や動物由来の生薬が知られています.サイ科の動物サイの角「犀角」は,「熱」を冷ます寒涼性と,鹹味に特有な「血」に移行しやすい薬性で,「血熱」を解消する高い効果をもたらします.ゴマノハグサ科の植物ジオウの塊根「生地黄」,ボタン科シャクヤクの根「赤芍薬」,ボタン科ボタンの根皮「牡丹皮」は,寒涼性と苦味に特有な抑制・浄化の薬性が共通で,甘味に特有な保護・滋潤の薬性,辛味・芳香に特有な疎通の薬性が加わり,「血熱」の解消を助けつつ,乾燥や停滞を防ぎます.以上の4種は 「血熱」に適応される代表処方「犀角地黄湯」の構成生薬です.やはり寒涼性と苦味をもつ,タデ科ダイオウの根茎「大黄」,シソ科コガネバナの根「黄芩」,アカネ科クチナシの果実「山梔子」は,「熱」の炎上を鎮める薬性で,「血熱」に応用できる代替処方「三黄瀉心湯」などの構成生薬です.


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