大熊先生「漢方はこうして副作用を防いできた」両毛新聞

No.98 認知機能の障害に対する漢方の広い視野

2019-02-28

 認知症は,以前は痴呆症と呼ばれ,老化現象とも思われてきましたが,現在は,記憶や見当識などの認知機能の障害として,アルツハイマー型・脳血管性・レビー小体型・前頭側頭型などに分類され,研究が進んでいます.例えばアルツハイマー型では,神経細胞内にタウ蛋白,細胞外にアミロイドβという物質が蓄積するため,神経細胞が死滅して,脳の機能が失われていくことが知られています.そこで,そのような物質の蓄積のメカニズムの解明が認知症の治療の焦点になっています. (さらに…)

No.97 「シベリア人参」として再発見された価値

2018-12-06

 「シベリア人参」は「朝鮮人参」と同科の植物エゾウコギ (刺五加, エレウテロコック) の根を用いる生薬です.漢方では,ウコギ属の根皮を「五加皮」と総称し,2千年前から主に足腰痛・関節痛に対する鎮痛の目的で煎服されてきました.特にエゾウコギは,シベリアにも自生するため,20世紀に旧ソビエト連邦の研究機関で,極寒・猛暑の過酷な自然環境や,様々なストレスに耐える人体の力を強める現代医学的な作用が発見され,漢方における「朝鮮人参」と比肩する価値がある意味の「シベリア人参」の呼称で,広く滋養強壮に愛飲されるようになりました. (さらに…)

No.96 オーバーヒートによる消耗に「西洋人参」

2018-09-10

 「西洋人参」は,「朝鮮人参」と同科同属の近縁の植物の根を用いる生薬です.18世紀初めに北アメリカで発見され,清代の漢方で注目されていた「甘寒」の薬性をもつ生薬の一つとして優れた薬効が認められ,当時の著名な本草書『本草従新』に収載され,「清暑益気湯」の新処方の主薬としても採用されました.

 「甘寒」とは,甘味と寒涼性(冷やす性質)をもつことを意味します. (さらに…)

No.95 隠れた傷の治りも良くする「田七人参」

2018-06-07

 「田七人参」は,滋養強壮の効能で広く知られる「朝鮮人参」と同科同属の近縁種の植物の根を用いる生薬です.漢方的な薬効の尺度になる甘味と温める性質(温熱性)も共通ですが,体内で作用する対象の器官系が異なるため,「田七人参」は滋養強壮にはなりません.

 漢方では,甘味は補益・保護・緩和する作用を反映する味で,温熱性は活発化して疎通を良くする作用につながると考えます. (さらに…)

No.94 免疫系の疾患に対する漢方の考え方

2018-03-22

 免疫系は,細菌やウイルスなどの病原体から人体を守る仕組みで,侵入物を自己の組織にとって有害な異物として認識し,攻撃して分解処理します.現代医学は,同じ免疫の仕組みが,無害なはずの食物や自己の組織を構成する物質にも過剰に及ぶため,アレルギーや自己免疫疾患を起こすことを解明しました.そこで,免疫の対象の病原体や物質を特定し,ミクロな反応のメカニズムを促進または阻害する薬を見つけ,免疫系の疾患を治療します. (さらに…)

No.93 加齢による病気との闘いに寄り添う医学

2017-12-14

漢方茶
 現代医学は,病気の原因として細菌・ウイルスなどの病原体,ホルモンや神経伝達物質の細胞の受容体への結合に始まる一連の化学過程,免疫反応に関わる複数の細胞や物質,遺伝子の塩基配列の欠損や変異など,すべて,ミクロな仕組みを究明して,病気の診断と薬効の確証(エビデンス)をつかみ,治療を進歩させてきました.老化に対しても,あくまで,ミクロな本質を究めて闘おうとしています. (さらに…)

No.92 漢方による更年期障害のマクロな改善

2017-09-11

 現代医学は生理現象や病気を起こすミクロなメカニズムを解明し,診断と治療に応用してきました.更年期女性は卵巣内の原始卵胞が残り少なくなり,脳から卵胞を発育させる命令を受けにくく,発育卵胞から分泌される卵胞ホルモンが少なくなります.脳は卵胞を無理に発育させようと命令を強める結果,更年期特有の激しい症状が起こります.現代医学は人工的にホルモンを補充する方法で,脳からの命令を和らげ,更年期症状を緩めます. (さらに…)

No.91 婦人病の治療を補完する漢方の基礎改善

2017-07-31

 現代医学は,月経困難症・不妊症・更年期障害など婦人病の治療にも,生理現象の分子レベルのミクロなメカニズムを解明し,ピンポイントの治療を目指してきました.不妊の原因に女性ホルモンの分泌不足があれば,人工的に分泌を促進する方法,子宮筋腫や内膜症が女性ホルモンで悪化するならば,分泌を抑制する方法が治療として確立されました. (さらに…)

No.90 治療困難な皮膚病への漢方の取り組み

2017-07-31

 現代医学は,病気の原因として分子レベルのミクロなメカニズムを解明し,確実な診断と治療を目指してきました.アトピ-性皮膚炎でも,その発生や進行に関わる重要な物質を体内で作り出す遺伝子配列が最近解明され,画期的な治療法の開発が期待されています.現在の治療法は,主に体内の緊急時の生理作用を担う副腎皮質(ステロイド)ホルモンの,免疫を抑制するメカニズムを利用しています. (さらに…)

No.89 痛みの解消に漢方の全体論的な改善法

2016-12-08

 現代医学では,体のどこかに痛みが出たら,骨・軟骨・関節・靭帯・腱・筋肉・神経・血管・内臓のどこに,圧迫・変形・破壊・炎症・機能亢進など,どのような,細胞または分子レベルのミクロな病変があるのか特定して,それぞれ異なる病気として分類し,個別的な治療法の確立を目指してきました.しかし,ミクロな原因の解明と治療に至らず,鎮痛薬が処方され続ける場合も少なくありません. (さらに…)

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