No.3 「甘味」の生薬の副作用

2012-11-28

 漢方の薬性理論によれば、「甘味」のある生薬は一般に、補益性・保護性と表されるような薬性があります。この薬性は人体の各組織の機能面・物質面の減退や不足を回復するのに役だつので、体力増強・疲労回復・栄養改善・体液保持などの薬効として活用されます。

 このように、体のためになり助けになる甘味の生薬でも、一部の薬効を求めるあまり、多量に長期連用したり、体内に既に過多の要素をよけい補うような誤用をすれば、機能面の過度の高ぶりや物質面の過剰な貯留の現れとして副作用を起こします。よく知られている「人参」による血圧上昇、「甘草」による水腫などの副作用はそうした薬性への無理解と偏った応用の結果として起こることです。

 漢方における代表的な処方には、副作用を予防するための模範になる生薬配合があります。たとえば、体力増強と体液保持の薬効がある「生脈散」には、温めて心身の活動を盛んにする薬性の「人参」に、同じ甘味ながら、冷やして安らかな休養を助ける薬性の「麦門冬」が配合され、薬効を活用しながら副作用を起こさないように成分生薬が選択されています。

 消化器の機能改善と体力増強の薬効がある「四君子湯」を構成する4種の甘味の生薬のうち、「茯苓」は淡味の要素もあるため排水性の薬性をもち、「白朮」は苦味もあるため乾燥性の薬性をもち、ともに余剰水分の除去を促進し、「甘草」と「人参」によって起こり得る過剰な水分貯留を防いでいます。


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