No.23 関節痛・神経痛・腰痛を解消する薬性

2012-11-28

 上下肢・体幹・頭頸部のいずれかの部位の痛み・しびれ・こわばり・ひきつり・重だるさ・運動制限の症状は,漢方では,「邪気」が人体内の流通経路(経絡)や運動器(筋骨)に入り込んで障害するためだと捉えます.「邪気」に対抗するのが人体の「正気」で,体内の機能の活発さや組織の栄養状態など様々な要素で支えられる,健康維持の原動力です.「正気」が弱くなると「邪気」が入りやすくなります.

 経絡や筋骨に入り込んだ「邪気」を除去する方法(去邪)に使われる生薬は,「独活」・「秦ギョウ」・「桑寄生」・「五加皮」・「威霊仙」・「防風」・「白シ」などです.辛・苦味・芳香による発散性・乾燥性の薬性から,炎症・欝血・水腫を分散・解消し,痙攣・拘縮を緩和して鎮痛する薬効につながります.アロマテラピーに使われるジュニパー(杜松)やゼラニウム(香葉)も同じ部類に属します.

 経絡や筋骨を堅固に守る「正気」を扶助する方法(扶正)に使われる生薬は,「人参」・「党参」・「黄耆」・「白朮」・「熟地黄」・「当帰」・「芍薬」・「鹿茸」・「巴戟天」・「淫羊カク」・「杜仲」・「続断」・「牛膝」などです.甘・鹹・酸味による滋養性・収斂性の薬性から,栄養素の供給・同化を促進し,無用な動員・異化を抑制し,組織の萎縮・脆弱化・粗鬆化の進行を防ぎます.

 「独活寄生湯」は,去邪の「独活」・「桑寄生」などで痛み・痙攣・炎症を散らすだけでなく,扶正の「党参」・「熟地黄」・「杜仲」・「牛膝」などの配合で,組織の構造的な弱まりに起因する病態の本質的改善に役立つ漢方処方です.


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