No.25 オーバーヒートを抑える薬性

2012-11-28

 現代医学的に熱があると言えば,体温上昇を表しますが,漢方における「熱」は,感染症や熱中症などの際の発熱だけでなく,神経系の興奮,内臓の機能亢進,局所の炎症などで,熱っぽい状態や熱性を帯びた症状をともなう場合を広く含みます.その上で,病原体・異物・感受刺激に対する心身の拒絶反応として生じた熱(「実熱」)と,心身を休養させるための体内の仕組みの破綻や弱まりから生じた熱(「虚熱」)に分類されます.適用される生薬も「苦寒薬」と「甘寒薬」の2種に分類されます.

 「苦寒薬」は苦味と寒涼性をもつ生薬で,「黄ゴン」・「黄連」・「黄柏」・「竜胆」・「茵チン蒿」・「牡丹皮」・「赤芍薬」・「玄参」・「知母」・「山梔子」・「連翹」・「板藍根」・「大黄」などです.「苦寒薬」は清浄化と抑制の薬性をもち,有害・不要物の排除や過亢進の鎮静効果が強力で,主に,激しい「実熱」の解消に使われます.タンポポ・スミレ・オミナエシ・アブラギク・アロエ・ニガウリ・フキなどの草花や野菜も「苦寒薬」として役立ちます.

 「甘寒薬」は甘味で寒涼性をもつ生薬で,「沙参」・「玉竹」・「麦門冬」・「天門冬」・「百合」・「西洋参」・「生地黄」・「旱蓮草」・「女貞子」・「亀板」・「猪髄」などです.「甘寒薬」は滋養性と抑制の薬性をもち,栄養素や水分の消耗を癒すことで,無用な代謝を防ぐので,わけもなく長引く「虚熱」の根本改善に活用されます.スイカ・ナシ・カキ・ナス・キュウリ・トウガン・レンコン・ゴボウ・ハクサイ・ホウレンソウ・ハトムギ・コムギ・アワなどの果物・野菜・穀類も「甘寒薬」として補助になります.


Copyright© 2005-2016 栃木中医薬研究会 インフルエンザ・かぜ・不妊症でお悩みの方! 栃木県の漢方薬局へご相談を All Rights Reserved.